2019年12月に出版された、浅田次郎の時代小説です。
時代は江戸末期、借金が積もり積もること200年、多くの藩の財政は火の車。
そんなある藩では、自分は隠居し、返しようもない借金を御家を継がせた若殿に
押し付け、大名倒産を目論む先代がいました。
倒産の暁には、若殿の切腹でことを済ませようとする先代と、
何とかして藩の財政を立て直そうとする若殿との結末はいかに?
とても面白い本でした。
もうひとつ面白かったのが「断る」。
これは、藩にお金を貸していたり、売り掛けのある商人を屋敷に集め、
広間に集まった皆の前に殿様が現れ、一言「断る」と宣言すれば、
全ての債務を帳消しにするという、伝家の宝刀です。
勿論、信用や評判にかかわるので、しっかり根回しをした後で行う、
最後の手段ではあります。
週刊プレイボーイの名物編集長として名を馳せた、島地勝彦さんの
最新刊です。
先日、10年続いた男性ファッション誌「メンズプレシャス」の連載を
終えられました。
その連載の途中までをまとめた本として「お洒落極道」が出版され、
今回、その後のプレシャス連載終了までと、他の本に連載された社長対談や、
時計エッセイを加えた本に仕上がっています。
やはり島地語録で印象に残るのは、
「美しいものは見つけたらすぐ買え!迷ったら二つとも買え!」や、
「衝動買いは人生の授業料の一部。借金してまで衝動買いするのは
勇み足だが、身の丈のお金でやる衝動買いは、ロマンチックな
愚か者の素敵な行為ではあるまいか?」。
しかしながら、その先には「知る悲しみ」が待っていることを
覚悟しなければなりません。