表紙のこのカッコいい男性は誰でしょう?
WHO IS THE MAN? とあります。
福澤諭吉のひ孫で、パリ生まれ、レーサー兼ファッションモデル、
レーシングカーのテスト中に若くして逝ってしまった、福澤幸雄がこの人です。
今回は、この表紙と、「日本ダンディ」ここにあり!が面白そうなので、購入。
明治維新後、外国に追い付き、追い越せの世風のなか、活躍したダンディ達の
話を、興味深く読みました。
大正から昭和にかけ、フランスのパリにて、10年間で600億円を使い、
華麗で洒落た浪費ぶり(文化方面のパトロンなど)から、
バロン薩摩と呼ばれた薩摩治朗八は知っていましたが、
さらにスケールの大きな人物も載っていました。
それが、西洋音楽のパトロン、徳川御三家の紀州徳川家第16代当主
徳川頼貞侯爵です。
「音楽の殿様」と渾名され、日本の西洋音楽のために1500億を投じたということです。
各論あるかもしれませんが 、文化には貢献していますね。
面白そうなので、図書館で借りてきました。
2014年の「ミシュランガイド・フランス」では、20人もの日本人シェフが
星を獲得しているそうです。
もし、日本人シェフが全員いなくなったらヨーロッパのレストランは
成り立たないし、
私達がもともと持っているオリジナリティー(真面目、勤勉、仕事への情熱など)に、
海外で戦うためのスキル(物おじしない、積極性など)を加えれば、
海外で当たり前に活躍できる、そんな時代だそうです。
世界的シェフ、アラン・デュカス氏の三ツ星レストラン「プラザ・アテネ」で
スー・シェフを務めた小林圭シェフや、フレンチの帝王ジョエル・ロブション氏の
右腕須賀洋介シェフ、イタリアで年間最優秀ソムリエ賞を受賞した林基就ソムリエ、
日本料理「龍吟」の山本征治シェフなど、料理に携わる多彩な人たちの話が
興味深い本です。
タイトルに魅かれて読んでみました。著者は料理評論家・山本益博氏。
山本益博氏が、40年間にわたり料理人や食材の生産者から聞いた、
素敵な名語録です。
その人たちは、辻静雄、アラン・シャペル、小野二郎、ジョエル・ロブション、
ポール・ボキューズ、ピエール・ガニエール他、そうそうたるメンバー。
その中で特に印象に残ったのが、この言葉。
「料理人になって以来、常に目指してきたのは、完璧な料理を作る
ということだった。20代で体が思うように動くようになり、30代で
頭で考えたことが手で精密にできるようになり、40代でいよいよ
完璧な料理を作れることが可能かなと思えるようになった途端、
完璧がどんどん遠のいていくことを実感した。」 ジョエル・ロブション
そして、「完璧というものはこの世に存在しないけれども、
常に完璧を目指すのが料理人の仕事じゃなかろうか。」
かって、同じことを言った人を知っています。
その人は、エンツオ・フェラーリ。